夢使い

波の激しい作品でした。
それでも、個人的には"終わりよければ全てよし"という考え方なので、
充分に満足していますよ。
終盤の話だけでも充分にお釣りが出ます。
結末は予想通りでしたが、予定調和だからこそ映える展開というのもあるわけで。
以下、結末まで含んだ重度ネタバレ注意。


自己 否定から肯定へ。
塔子の悪夢は、云わば自己 否定の産物であり、罪の意識そのもの。
それを妹である燐子が自らの危険を顧みずに夢見することで明らかにするシーンは
震えが止まりませんでしたよ。
視聴者にとっては明らかであっても、その「悪夢」の持ち主が誰なのかは
登場人物には簡単に分かるはずもなく。
予感はあったのか、なかったのか。ともかくも燐子は夢見に向かう。
危険だと止める一(はじめ)と大丈夫だから、と笑う燐子。
ここのくだりの微妙な心情を見事に表した演技は感服します。


夢見により明らかになる真実、背徳の想い。
その真実を驚愕とともに受け止める燐子。
それでも、その想いを否定せず、むしろ優しく包み込む燐子。
スーパー小学生の名は伊達じゃありません。
完璧すぎて畏れ多いくらいです。(違


燐子は亡き父の言葉を覚えていませんでした。
ですが、その言葉を、自分なりの表現で、
自分の中から"父の言葉"を見つけ出して塔子を諭したシーンは見事でした。
覚えていなくとも、その想いは受け継がれていたということか。


その言葉に、自らの手で決着をつけた塔子にもカン パイ、ってことで。


以上、ネタバレ終わり。
ちなみに、白抜きの箇所の一部に変なスペースがあるのは
キーワードリンク防止なのでそこんとこお願いします。(ぇ
結論。


予定調和であり、個人的な期待値は超えませんでしたが、
それでも十二分に楽しめました。
見続けてよかったですよ。